みなさんは黒王丸(こくおうまる)というサボテンをご存じでしょうか。
黒王丸は和名で、学名はコピアポア・シネレアと言います。
チリに自生しているサボテンの一種で白っぽい肌と黒いトゲが特徴。
とても人気な種類ですが、生長が遅く、流通量が少ない為、価格がかなり高騰しています。
人気な塊根植物であるグラキリスと同じかそれ以上の価格のイメージです。
今回は、たまたま黒王丸の接ぎ木(つぎき)を入手出来たので、接ぎ降ろし(つぎおろし)に挑戦することにしました。
この記事では、黒王丸の接ぎ降ろしから発根管理までの工程を紹介しています。
結論から言うと、むっちゃ大変でした。
・黒王丸の接ぎ木の購入を考えている人 ・接ぎ降ろしの具体的な方法を知りたい人 ・接ぎ降ろし後の発根管理に興味がある人
・10ヶ月以上、40鉢の植物の水やりや見た目の変化を記録中
・メルカリマガジンにて初心者の方へ向けた観葉植物の記事を執筆
・本業は自動車部品メーカー総合職
良かったことだけでなく、悪かったこともブログで発信・蓄積することで植物に興味がある人の助けになればと思っています。
詳細はプロフィールをご覧ください。
それではよろしくお願いします。
接ぎ降ろしとは?
そもそも接ぎ降ろしという行為を聞いたことがなかった人も居ると思います。
私も知りませんでした!笑
調べてみたので説明していきますね。
接ぎ木についての基礎知識
まず、接ぎ降ろしを説明する前に接ぎ木の説明からさせてください。
接ぎ木とは近い分類の植物同士をつないで、育てる方法です。
画像はサボテンですが、野菜や果物の栽培にも使われる手法です。
根を出している株の植物を「台木(だいぎ)」、上部の植物を「穂木(ほぎ)」と言います。
穂木の生長が早くなるというメリットがあるそうです。
緋牡丹のように、穂木だけでは葉緑素を持たないような品種も接ぎ木することで育てる事が出来ます。
接ぎ降ろしには3通りあるらしい
接ぎ降ろしは接ぎ木の台木をカットして植え直す事を指します。
接ぎ降ろしには以下の3つがあるそうです。
- 台木を短くカットする接ぎ降ろし ⇒台木の根が生える
- 台木の中心部だけを残す接ぎ降ろし(髄降ろし)⇒台木の根が生える
- 穂木だけを残す接ぎ降ろし ⇒自根が生える
私は、せっかく黒王丸を育てるなら台木なしの純粋に自根だけの株を育てたいと思い、
3番の穂木だけを残す接ぎ降ろしをやってみる事にしました。
自根を出させる接ぎ降ろしのポイント
自根を出させる接ぎ降ろしのポイントは、台木の部分を完全に取り除くことです。
これが意外と難しかったです。
接ぎ降ろしやってみた
それでは実際にやってみた様子をご紹介します。
接ぎ木の見た目
今回接ぎ降ろしする株はこちらです。
台木は竜神木です。土から穂木の黒王丸までの高さは30cmほどです。
黒王丸の幅は約8cmです。立派ですね。
台木をカットする
台木はそのまま育ててみようと思うので、抜かないために一旦カットしました。
カッターを使用しています。消毒として一度コンロの火であぶって冷ましてあります。
穂木と台木の境界でカット
もう一度カットしました。
この状態で植えると、当然台木の根が出てきます。
植えてしまえば見た目ではわからないのでこれで終わってもいいっちゃいいのですが、私は自根を出させて育てたいので、もう少しいきます。
この辺りから強く抑えるようになり、私の園芸用ゴム手袋を黒王丸のトゲが貫通し始めました。
我慢できない事もない痛さですが、我慢する必要なんてないので、
最低でも園芸用ゴム手袋、ちゃんと準備したい人は皮手袋をおすすめします。
台木を取り除くためにえぐっていく
ここから先はカッターでは上手く切れなかったので、ナイフで黒王丸の中をえぐるように、台木を取り除いていきます。
中途半端に台木を残すと、穂木の根(自根)と台木の根の両方が発根し、台木の方が生長して穂木のほうの生長が負けて最悪の場合枯れてしまうらしい。
あとは台木の部分が腐って穂木まで腐る事もあるらしい。
しっかり取り除かないと。。
台木の中心部はかなり硬いです。
一気に刃を入れて穂木の組織を必要以上に傷つけてしまいたくないので、慎重に。
トゲに「イテテ」となりながら、しっかりと押さえて切りました。
こんな感じになりました。
ぽっかり穴が開いているようになってしまいました。
一応、これで台木は完全に取り除けたと思います。
切断面を消毒
次に消毒作業をしていきます。
人のケガみたいに雑菌が入ると良くないですからね。
使用したのはダコニール、ベンレート、ダインになります。
ダコニールは予防に効果があり、ベンレートは治療の効果があります。
ダインは展着剤と言い、一緒に混ぜる事で切断面に付着しやすくなるというものです。
私の場合、切断作業に時間がかかったので、すでに雑菌が侵入しているかもしれないと思ったので、
まずベンレート希釈液を塗り、乾いたら予防のためにダコニール希釈液を塗ることにしました。
箱は0.5gの袋が10袋入りです。
ダコニールは粘性の高い液体で、目盛り付のキャップが付いてます。
まずベンレート希釈液を作ります。
ベンレートは2000倍希釈で使用します。
0.5gの袋を1リットルの水に溶かすことで2000倍希釈液ができます。
さらに、この希釈液にダインを0.3mlほど混ぜました。100均の注射器なので、0.5mlくらい入ったかもです。
ベンレートの希釈液を絵具用の筆で塗り、乾くのを待ちます。
次に、ダコニール希釈液を作りましょう。
ダコニールは500~2000倍希釈で使用という事で、私は1000倍希釈で使用しようと思います。
目盛り付のキャップがあるので1ml取り、1リットルの水に溶かすことで1000倍希釈液ができます。
この希釈液にもダインを0.3mlほど混ぜました。
こちらも筆で塗ってよく乾かします。
穂木の切断面に発根促進剤を塗布
切断面がよく乾いたら、最後に発根促進剤のルートンを筆で塗布します。
ここまででひとまず作業は終わりです。
接ぎ降ろし後の発根までの管理
さて、あとは発根するのを待つだけです。
調べると、すぐ土に植えてしまう人と根が出てきたのを確認してから土に植える人が居るので、
私は根が出るまでベランダの日陰に置いておこう思います。
基本的には水やりもしないつもりでいます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は接ぎ降ろしするだけだったので、肝心なのはこの後発根するかだと思います。
調べていて、台木を完全に取り除いて自根を発根させている人が見つけられず、期待半分、不安半分な気持ちです。
どのような結果になろうと続編の記事を書きますので、気長にお待ちください。
今回の記事は以上です。読んでくださりありがとうございました。
続きの記事投稿しました。ぜひご覧ください。
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